前回のブログでは、妊娠中の体重増加の目安が変わったこと・痩せている妊婦さんが多いことなどをお伝えしましたが、今回はその痩せ妊婦さんに関してのお話をしようと思っています。
当院では、現在BMI17以下の痩せ妊婦さんの栄養指導をしています。
その背景には・・・
- 20代の痩せの割合・・・20%以上(5人に1人)
- 20代女性の朝食欠食率・・・6%(4人に1人)
痩せている人は食が細いことが多く、また朝食を欠食すると1日に必要なエネルギーが足りないので赤ちゃんの成長に必要な栄養も不足してしまうことから、生まれてくる赤ちゃんの体重が少なくなってしまうという傾向が見られます。
どのくらい少なくなっているのか見てみると…。
生まれた赤ちゃんの200gってかなり大きな差だと思いませんか?
そして食事量が足りない事、食べている物の偏りなどにより、おなかの中での慢性的な栄養不足が、将来児の生活習慣病の発症につながるということが分かってきています。
これを踏まえ、今、妊婦さんに適正な体重増加につなげる食事をしてもらえるようお話をする機会を設けています。
ここからは、一般的な妊婦さんの食事という観点で話を進めていきますね。
まず、皆さんは厚生労働省から出ている「妊産婦のための食生活指針」はご存じですか? (こちらも、平成18年に出されたものが、今年リニューアルされました。)
【妊産婦のための食生活指針】から【妊娠前からはじめる妊産婦の為の食生活指針】と名称も変わり、内容についても9項目から10項目となりました。
ここにも、「妊娠前から食事に気をつけていきましょう!」と若い世代の「やせ」の方へのメッセージがあります。 妊娠したから、急に食事を変えるってなかなか難しいですものね。
では、10項目の紹介をしていきますね。
① 妊娠前からバランスのよい食事をしっかりとりましょう
② 「主食」を中心に、エネルギーをしっかりと
③ 不足しがちなビタミン・ミネラルを、「副菜」でたっぷりと
④ 「主菜」を組み合わせてたんぱく質を十分に
⑤ 乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などでカルシウムを十分に
⑥ 妊娠中の体重増加は、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい量に
⑦ 母乳育児も、バランスの良い食生活の中で
⑧ 無理なく体を動かしましょう
⑨ たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう
⑩ お母さんと赤ちゃんのからだと心にゆとりは、周囲の温かいサポートから
新しく加わったのは、⑧の内容ですね。
無理なく、体を動かすことも、大切ですね。
この、最新版「妊娠前から始める妊産婦のための食生活指針」について
次回は、ここから少しずつひも解いていきましょう。