当院の遺伝診療部では、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーや医師、看護師、検査技師などの専門職が連携し、遺伝子や遺伝のメカニズムが関与する病気や体質について、医学的、心理社会的支援を提供します。現在、出生前診断を希望されている方や、周産期における悩みと不安をお持ちの方を中心に、診察および遺伝カウンセリングを行っています。また、遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)向けの遺伝子検査および遺伝カウンセリングも実施しております。
遺伝カウンセリングとは、遺伝学を専門とした臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが担当し、遺伝子や遺伝に関わるさまざまな不安を抱える方やそのご家族のお話を伺いながら、自律的な選択ができるよう、医学的情報を分かりやすく説明し、心理社会的支援を提供する医療サービスです。
病気になった方だけでなく、ご家族もご利用できますので、どうぞお気軽にご相談ください。
こんなことで心配や不安を抱えていませんか?
初回 10,000円 / 2回目以降 5,000円
遺伝カウンセリングの時間はご相談内容によって異なります。
目安として、初回は1時間程度、2回目以降は40分程度となります。
<診療時間>月~金曜 9:00 ~ 12:00、14:00 ~ 17:00 予約制
妊娠・出産に伴う不安や悩みはさまざまですが、赤ちゃんの健康状態はほとんどの妊婦さんやそのご家族にとって、最も重要なテーマとも言えるでしょう。事前に胎児の健康に関する情報を把握することで、胎児予後および分娩時期や様式、分娩後の生育環境を準備しておくのが出生前診断の目的です。当院では、胎児超音波検査、羊水検査、NIPT検査を提供しております。
妊婦健診時には毎回超音波検査を行いますが、主に胎児推定体重・羊水量・胎位・胎向・心拍動などを確認しており、その中で胎児の発育不全・形態異常・先天性奇形・母児のリスクなどを発見するのは難しいのが現状です。そこで当院では日本超音波医学会超音波専門医である篠塚 憲男先生により、通常の妊婦健診時に比べ、より時間をかけ、週数に応じた「胎児超音波検査」を実施しています。
妊娠18週頃には、早産予知のための診断や胎児の各部(特に心臓疾患)の診断を行います。また、妊娠30週頃には胎児の形態評価(顔面・脳・心臓等)や胎児発育・胎児血流・胎児行動・羊水量等の確認を行います。その他にも胎盤や臍帯等の確認をその週数に応じて行います。
早い時期に特別な超音波の診察を受け疾患を確定することで、早期の対処が可能になりますし、疾患によっては出生直後からの小児管理による治療が可能になります。また、検査時に撮影された胎児の3D写真・4D動画はお渡ししています。
他院に通院中の方のセカンドオピニオンも受けております。(11週~34週の方が対象となります)
篠塚医師による胎児超音波検査では、フィリップス社製ハイエンド超音波診断装置を導入しています。従来の機器と比較し、鮮明で明瞭なリアルタイム画像を得ることができ、より精度の高い胎児スクリーニングが期待できます。
羊水検査とは羊水中の胎児細胞を培養したあと、胎児の一部の染色体における数や形の異常の有無を調べる、侵襲的出生前診断の一つです。検査時期は妊娠15~18週となります。この検査は対象者条件が設けられておりますので、まずはNIPTをご検討ください。羊水検査は、現在当院で妊婦健診を受けられている方に限って実施しています。また、この検査を希望される場合、事前の遺伝カウンセリングが必要となります。
羊水検査のみ:170,000円
当院は日本医学会(出生前検査認証制度等運営委員会)より、新型出生前診断(NIPT)を実施する基幹施設として認証を受けています。
現在NIPTを受けられるのは基本的に当院での妊婦健診、および出産を予定されている方が対象となります。他院分娩予定の方は、予約枠に余裕のある時に限ってご対応させていただきます。また、費用は当院分娩予定の方とは異なりますので、当院産科受付へご確認ください。
NIPT検査とは、「妊婦母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査」のことを指します。NIPT検査では、高速度に遺伝子配列を読む研究装置を用いて、母体血漿中の浮遊DNAの断片の遺伝子配列を解読することで、DNA断片が何番染色体に由来しているかと判定することができます。それにより、赤ちゃんに見られる主要な染色体異数性である第21番、13番、18番染色体数の異常などを極めて高い精度で、なおかつ低侵襲で診断することが可能な検査です。この検査の特色を正しく理解した上で検査を受けるかどうかを選択できるように、検査前に遺伝カウンセラーによるカウンセリングを行います。また、検査結果についても遺伝カウンセリングを行い、その後に行う確定検査についての位置づけやその意味を詳しく説明し、十分な理解のもと自律的に判断できるようにサポートします。染色体微小欠失その他の染色体検査、出生前診断、現状で可能な遺伝子検査については応相談となります。
NIPT検査をご希望される方は、13週6日までに初期特殊超音波外来を受診頂くことが必須条件となります。余裕を持ってご予約ください。
検査料金
NIPT検査(当院分娩予定の方) : 130,000円
親から代々受け継ぐ遺伝子の一部に異常があり、それが原因となって発症する乳がん、卵巣がんのことを、遺伝性乳がん、遺伝性卵巣がんと言います。がん全体の中で、これら遺伝性のがんは約10%を占めています。
HBOC検査では、採血をしBRCA遺伝子の異常があるかどうかを検査します。異常が認められる場合は乳がん、卵巣がんの発症リスクが高いため、一般のそれらのがんの対処とは多少異なる留意点があります。遺伝カウンセラーにより、それら留意点に関して指導いたします。
完全予約制
代表電話 04-2922-0221