こんにちは。病棟助産師です。
『胎内記憶』という言葉を知っていますか?
今日はこれについてお話をしていきます。
少し難しい言葉に感じるかもしれませんが、胎内記憶とは子どもがママのお腹の中にいた時の記憶のことです。
これは胎内記憶研究の産婦人科医である池川明先生を筆頭に現在研究が進められています。
池川明先生は、胎内記憶に関する著書を出していますが、私は助産師学生時代に先生の講義を実際に聞くことができました。先生のお話は、本当かなぁ?と半分疑いながらも、つい微笑んでしまうような、医学とは少しかけ離れた神秘的な内容ばかりでしたが、心が温かくなるような良いお話ばかりでした。
赤ちゃんの脳は、妊娠8週頃に脳のもとなっている神経系が完成し、その後視覚や聴覚が作られ始めます。そして聴力は、妊娠24〜28週頃に発達してくるといわれています。
お腹の中の赤ちゃんは羊水の中にぷかぷか浮かんでいますが、音によって羊水が振動し、赤ちゃんの頭蓋形から耳の骨をつたって脳へと信号が送られ、音を認識していくそうです。
水の中にもぐった時に聴こえてくる音のような、そんなイメージでしょうか??
以前私がお産につかせていただいた時の話ですが、無事に産まれ、大きな声で泣いてた赤ちゃんが、立ち合い出産で来たパパに初めて抱っこをされ話しかけられた途端、ぴたっと泣き止み、まるでその声が聞こえているかのよう様に笑顔を浮かべたことがありました。
そのご夫婦は、毎日かかさずお腹の中の赤ちゃんにむかって『パパだよ』『ママだよ』とあいさつをし、たわいもないことを語りかけていたそうです。その時たまたま赤ちゃんが泣き止んだのか、パパとママの声を認識できたのかはわかりませんが、なんだかとても感動したことを覚えています。
お腹の中の赤ちゃんは、生まれてくるまでの間、様々なことを聞いたり、感じ取っているのではないかと思わずにはいられない出来事でした。
みなさんの声がお腹の中の赤ちゃんに伝わっていると思ったら、たくさん話しかけてみたくなりませんか?
ママの声だけでなく、パパの声、赤ちゃんを待つみんなからの声をぜひ聞かせてあげてほしいです。
現在、瀬戸病院では、短時間ではありますが15分間の立ち合い分娩を実施しております。
赤ちゃんが産まれた時には、嬉しさやその時の感動を、声に出して赤ちゃんにそのまま伝えてあげてください。
きっと赤ちゃんも同じ気持ちになるはずです。
我が子の誕生する瞬間、その15分間が素敵な時間となるよう、わたしたちが精一杯お手伝いさせていただきます。