こんにちは、瀬戸病院 栄養士です。
コロナの影響で母親学級が出来なくなって1年がたちます。
なかなか妊婦さんへの食事のお話をする機会がなくなってしまい、残念です。
最近、妊婦さんの体重増加についてのニュースがあり、皆さんにもお伝えしていきたい内容だなと思い、書かせていただきました。
「何が変わった」のかというと、妊娠中の体重の増加の目安が変わりました。
従来の妊娠中の体重増加の指標より「増量」を促すような形となりました。
今後、母子手帳などの記載にも反映されるとのことです。
もともとは「妊娠高血圧症候群の予防」の観点で始まった体重増加の目安ですが、「胎児の健康への着目」「低出生体重児の増加」などの背景を受けての「増量」となったそうです。
この、「胎児の健康」や「低出生体重児の増加」という観点がとても大切なので、次回以降に少しお話させていただきますね。
ここ数年、「痩せ妊婦」の増加について、いろいろ目にする機会も増えていると思いますが、「国民健康・栄養調査」の統計がもとになっています。
最新の令和元年の調査結果でも、BMI<18.5の「痩せ」の割合は男性3.9%、女性11.5%でここ10年間大きな変化はないそうですが、20歳代女性の「痩せ」の割合は20.7%と高い割合を示しており「約5人に1人」が痩せに該当するという結果です。
また少し古いデータですが、平成29年では、女性が抱える痩せの課題と「朝食の欠食率」の関係性について日本栄養士会が指摘をしており、痩せの割合が高い20代女性の欠食率は23.6%との報告もあります。つまり「約4人に1人」は朝ご飯を食べていないことになります。
ここまで読んで、気づかれたと思いますが、大切になってくることは、「体重を増やすこと」だけが大切なことではなく、「何をどう食べて、赤ちゃんやお母さんの栄養にしていくか」がとても大切なことになってくると思います。
これらの事を踏まえて、当院では「痩せ妊婦」の栄養指導にも取り組んでいます。
「痩せているのに栄養指導??」と構えず、一緒に「食べること」を考えていきませんか?